相続の流れ
●相続手続の流れ
遺言がある場合
- 被相続人が遺言書を残している場合は、その遺言書に書かれている内容を具体的に執行することになります。遺言書がある場合は比較的、相続手続きがスムーズに進むでしょう。遺言が「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の場合は【検認】の手続きが必要となりますが、遺言書を残すことにより、故人の遺志も尊重されますし、相続人同士のわずらわしい遺産分割の話し合いも簡素化されるので、ぜひ遺言書を残しておくべきでしょう。
遺言がない場合
- ほとんどの家庭がこちらのケースになると思われますが、この遺言書がない場合はまず相続人や相続分、相続財産などを確定し、相続人全員で遺産分割協議をすることになります。この分割協議が成立すると遺産分割協議書を作成し、この協議書の内容に従って具体的に執行することになります。一方、遺産分割協議が成立しないという場合は家庭裁判所の調停・審判という方法も考えられます。
フローチャート
1.被相続人の死亡(相続開始)
2.死亡届の提出
死亡届は、7日以内に死亡診断書を添付して被相続人の住所地の市町村役場に提出
します。この届をしないと、火葬や埋葬の許可が出ません。
3.遺言書があるかどうか確認
遺言書があれば、被相続人の住所地の家庭裁判所で検認を受けた後、開封します。
提出しなかったり、勝手に開封すると5万円の過料の制裁を受けます。
※ただし、公正証書遺言については検認の必要がありません。
4.相続財産の調査・確定
土地、建物、預貯金というようなプラス財産のみならず、借金などのマイナスの財
産も調査し確定します。
5.相続人の調査・確定
被相続人・相続人の本籍地から戸籍謄本等を取り寄せて相続人を確定します。
6.相続放棄・限定承認
相続放棄又は限定承認をする場合は原則として3ヶ月以内に相続開始地又は被相続
人の最後の住所地の家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。
7.準確定申告
準確定申告とは、確定申告すべき人が年の途中で亡くなった場合、その年1月1日
から亡くなった日までの所得の申告で、相続人は、相続があったことを知った日か
ら4ヶ月以内に被相続人の所得税の確定申告をしなければなりません。
8.遺産分割協議書の作成
相続人全員により遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。
9.相続税の申告と納税
相続財産が基礎控除額(5000万円+法定相続人1人当り1000万円)を超える場合
は10ヶ月以内に税務署に相続税の申告をする必要があります。また、小規模宅地等
の評価減や配偶者控除の適用を受けるためには、相続税がかからなくても相続税の
申告が必要になります。